環境保全計画
環境保全計画の意義と目的
土木工事は、一般に、地形を大きく改変させ、地勢にも影響を及ぼす場合があり、工事現場周辺の自然環境や生活環境に及ぼす影響は大きい。環境に関する地域社会などとのトラブルの発生は、工事の工程を大きく狂わせ、工期や工費に多大な影響を及ぼす。また、工事にともない発生する建設副産物を適正に処理し、生活環境の保全および公衆衛生の向上を図る必要がある。そのため、工事に先立ち、以下について十分検討しなければならない。
- 地域の自然環境や生活環境を事前に把握すること。
- 関係法令を遵守し、環境問題の発生を最小限に抑えるような環境保全計画を立案すること。
- 工事を円滑に進められるよう、地域住民などに環境保全計画を事前に説明すること。
- 現場の労働環境を考慮し、健康被害が生じることのないように、あらかじめ適切な対策を講じること。
- 工事現場からの廃棄物の発生を抑制し、適正な分別、収集・運搬、処分を行う計画を立案する(リデュース、リユース、リサイクル)。
環境保全計画における検討項目
環境保全計画を作成するうえで対象となる主な検討項目は、以下のとおりである。なお、ここでは、工事現場の近隣に及ぼす損失や迷惑などの問題も環境問題(以下「近隣環境」という。)として整理することにする。
- 自然環境の保全
- 植生の保護、生物の保護、土砂崩壊の防止対策
- 公害などの防止
- 騒音、振動、ばい煙、粉じん、水質汚濁などの防止対策
- 近隣環境の保全
- 工事用車両による沿道障害の防止対策
- 掘削などによる近隣建物などへの影響防止対策
- 耕地の踏み荒らし、土砂および排水の流出、井戸枯れ、電波障害などの事業損失の防止対策
- 現場作業環境の保全
- 排気ガス、騒音、振動、ばい煙、粉じんなどへの対策
- 建設副産物対策
- 建設発生土、建設汚泥、アスファルト・コンクリート塊、金属くず、建設発生木材などの適正処理
環境保全に関する関係法令
環境保全に関係する主な法令には、以下のようなものがある。
- 現場作業環境関係
- 労働安全衛生法、労働安全衛生規則
- 自然環境関係
- 環境基本法、自然環境保全法、自然公園法
- 公害防止関係
- 騒音規制法、振動規制法、大気汚染防止法
- 悪臭防止法、土壌汚染防止法、水質汚濁防止法
- 下水道法、湖沼水質保全特別措置法
- 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
- 建設副産物関係
- リサイクル法、廃棄物処理法
建設副産物の種類
建設副産物とは、「資源の有効な利用の促進に関する法律(リサイクル法)」にいう"建設工事にともない副次的に得られる物品"である。
詳細については国土交通省-リサイクルを参照されたい。
建設副産物対策の基本
建設副産物については、
- 発生の抑制(施工方法などを工夫して発生を抑制する)
- 再利用の促進(建設資材等としてリサイクルを促進する)
- 適正処分の徹底(廃棄物の不法投棄をなくし適正な処分を徹底する)
の3本柱を基本方針とし、関係法令の規定にしたがって適正に処置することが、建設工事の発注者ならびに施工者等に義務付けられている。
建設副産物対策の検討事項
建設副産物対策に関する施工計画の作成にあたっては、契約条件の検討や事前調査に基づき、建設副産物の発生の抑制、再利用の促進、適正処分の徹底の3原則に従い、次に示す事項について検討しなければならない。
建設副産物の種類と量の推定
建設副産物対策の基本は、どのような種類の建設副産物が、現場からどの程度発生するかを事前に推定することから始まる。また、適正に処分可能な処理場があるかどうかについての調査が必要である。
契約指示事項などの確認
契約指示事項の留意点は、下記のとおりである。
- 契約条件と現地条件との整合性
- 変更が生じた場合の処理費や処理場の変更などの契約上の取扱い