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品質検査の方式と品質管理の例

母集団とサンプリング

ある製品の品質を管理しようとするとき、その製品が数多くある場合、または数えられるほどであるが種類が多い場合、その全部を調べて品質を管理することは不可能ではない。また、仮に可能であっても非常に不経済である。

そこで一般には、調べようとする対象の集団からその一部を取り出して、その一部のデータによって集団の性質を統計的手法により推測する方法がとられている。この場合の調べようとする集団のことを母集団という。

図-12:母集団とサンプリング

母集団からその一部を取り出したものをサンプル(試料)といい、サンプルを得る方法をサンプリング(試料抽出)という。また、母集団を構成する単位体を、検査などのために、ひとまとまりにしたグループをロットという。抜取検査は、このロットからサンプルを抜き取って検査し、サンプルの中の不適合の数などを基にして、各ロットの合否を判定する。これらのサンプルから得られた品質特性に関する測定値をデータ(データ値)という。

サンプリングに基づいてその母集団の姿を正しく把握し処置を行うためには、母集団を正しく代表するようなサンプリングをすることが重要であり、JIS では乱数表を用いるなど無作為抽出(ランダムにサンプリング)する方法を定めている。

全数検査と抜取検査

全数検査

品物 1 個 1 個を全部検査する(100%検査)もので、良品と不良品を選別する目的で行われ、次のような場合に適用される。

  1. わずかの不良品混入も許せない場合
  2. 検査が容易に行える場合
  3. ロットの品質をよくしたい場合
  4. ロットの大きさが小さくて、抜取検査の意味がない場合

抜取検査

全数検査をすることが現実には不可能かあるいは著しく不経済な場合、検査の対象を一定の数量から成るロットに分割し、各ロットからその中の一部を試料として抜き取って試験する。その結果をロットに対する判定基準と比較して、そのロットの合格不合格を判定する検査方法である。

例えば、舗装工事の出来形検査においては、1 ロットの大きさは、同一の設計と施工による各工種(例:路盤、路床、アスファルト層など)に対して、舗装面積で 10、000m2 以下とされている。

抜取検査は、次のような場合に適用される。

  1. 破壊検査の場合
  2. 連続体の場合
  3. 検査個数の多い場合
  4. 検査項目の多い場合
  5. 有効な品質情報を得たい場合
  6. 管理者が、構造物の実体に精通したい場合

抜取検査には、次の種類がある。

  • 1 回抜取検査: ロットからサンプルをただ 1 回抜き取り、その試験結果で合否を判定する方法。
  • 2 回抜取検査: 1 回目で合格、不合格の判定ができないロットに対し、2 回目の抜取検査を行い、1 回目の結果との累計成績によって合否を判定する方法。
  • 多数回抜取検査: 2 回抜取検査をさらに広げ、ある一定回数まで検査を行って判定する形式。
  • 逐次抜取検査: 1 個ずつ、または一定個数ずつ試験しながら、その集計成績をその都度判定基準と比較して判定する形式。

これらは、それぞれ目的によって組み合わせて用いられているが、一般に、建設工事の場合は、1 回抜取検査により行われている。