7.4 交通信号制御交差点の管理・運用
本節では、交通信号制御交差点の管理・運用について、信号制御手法を中心に概説する。なお、本節に記載されている事項は、『改訂平面交差の計画と設計基礎編』[^11]、および『改訂交通信号の手引』[^12]の内容に準拠して記載されている。各項目については当該文献に詳細な説明があるので、当該文献も併せて参照されたい。
7.4.1 信号制御交差点に関する基本概念
(1) 基本的考え方
一般道路においては複数の方向からの交通が同一平面を利用するため、平面交差によって交通が処理される。これらの平面交差は、交通量が大きくない場合には、一時停止などの無信号制御や、ラウンドアバウト(環状交差点)による制御がなされるが、ある程度以上の交通量になると、交通流の円滑および安全の観点から信号制御により処理される。一般道路における渋滞のほとんどは信号制御交差点が原因であり、安全上も多くの課題があることから、道路交通において信号制御交差点の計画・設計およびその管理・運用が果たす役割はきわめて大きい。
平面交差の幾何構造と交通制御とはたがいに強い相互制約、相互依存関係にあって、おのおのを単独に扱うことができない。例えば、安全上の理由から右折専用現示を設けようとすれば、右折車線が必要である。また、同方向2車線を一時停止規制でさばくことは一般に危険であるので、従道路を拡幅すれば信号制御にしなければならないということも起きる。したがって、平面交差の計画・設計においては、新設の場合であれ改良の場合であれ、つねに幾何構造と交通制御とを同時に検討し、それらの組合せとしての計画と設計を行う必要があることに留意すべきである。